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彼女の空に続く青。
 職業、英雄。
 年齢は、たぶんわたしよりちょっと上くらい。
 好きな色、たぶん青。
 好きなテレビ番組は、結構マルチっぽい。
 好きな食べ物は、う〜ん・・・・・・日に日に増えてる感じ?
 そのくらいだ、わたしが彼女のことを知っているのは。
 それっぽっちしか、知らないんだ。

「どうしたんですか、ルミナ」

 彼女と目が合った。
 慌ててそらすのもなんか変だし、何か言わないと。

「え、っと・・・・・・今日の夕飯、なにかリクエストはあるかな?」

 ふむ。我ながらちっとも気のきいた言葉がでない。
 彼女は少し迷うようにして「ルミナの作るものならなんでも」と答えてくれた。
 今はリビングでごろごろしながら、私は本を、彼女はテレビを見ていた。
 会話が、続いてくれない。
 別に無理して続ける必要もないんだけれど。ただとなりに居るだけで変な息苦しさとか
そういうの、全然感じないし。なんか自然体って感じで、けっこうこの雰囲気は好きだ。

「そうですね・・・・・・リクエストがないと作りづらいようでしたら。
 ルミナが食べたいもので私は構いませんよ」

 私が少し困ったような顔をしていたのだろうか、彼女が言葉を続けてくれた。
 彼女は優しい。

「――も、料理とかするの?」

「ルミナには及びませんが、簡単なものなら」

 彼女は少し、話してくれた。彼女が大好きだった食べ物のことや、その作り方。
 わたしが聞いたことのない食べ物もその中にいくつかあった。

「じゃ、今夜はそれにしよう。作ったことないけど、教えてもらえればきっと作れるよ」

 はい、そうしましょうと彼女も少し嬉しそうに微笑んだ。
 材料が揃うかだけ、心配だ。まあなかったら今風アレンジということで、良いし。

「空、綺麗だなぁ」

 思い返すと、彼女と話したことは食べ物の話ばっかりだった気がする。
 それを彼女は、どう思っただろう。
 わたしのことを、くいしんぼうだと思っただろうか?
 もっと、彼女と色んな話をしておけば良かった。少しだけ後悔してる。
 もし再び会えることがあったとき、笑われないように頑張らないと。
 どこまでも広がる青い空。
 それが――彼女の空にも繋がっているような気がした。
 貴方も、今見ていますか?



**********************************************************************
 ここを見てくださってる方がどれくらいで、隠してある小説をどれくらいの方が読んで
くださってるか分からないですが・・・。なんか久しぶりに書きたくなったので描いちゃい
ました。ちょっぴりアフター。
 絵を描くのも・・・久しぶりだなぁ。
 絵描いてから、文つけたもんで・・・ちょっとちぐはぐ。
 空を向いてる風に描けばよかったです。剣もいい加減ですし・・・。
 もう一度、あの小説をちゃんと書きたいなぁ。
 このブログのデザイン、好きなんだけど・・・。横幅が500ピクセルの絵を載せると
変になる・・・。CSSいじれば直せると思うんですが・・・。面倒で見る気にならな(こら。
 今度暇を見つけて上から下まで覗いてみようと思います。
| 書き物 | 21:58 | comments(10) | - | ↑PAGE TOP
主人の憂鬱。
 部屋の隅っこの方で、珍しく眠りについた彼を見つけた。
 ソファーに座れば良いのに、床に腰をついて堂々と眠っている。
 最初に出会ったとき。私は名乗ったのに、この男は失礼極まりなく名乗ることなどしな
かった。
 だから私から「貴方、名前は?」と尋ねたのだったと思う。
 そしたら彼は<<ギア=フリークス>>と答えた。たったそれだけの答えに、彼は逡巡する
ように数秒の時間を要した。おまけに、自分でもよくわからない――そう付け足して。
 私はそれがどうしても可笑しくて笑ってしまった。記憶を失っているとかならまだしも。
 大のおとなが――私から見れば誰だって大人みたいなモノだけれど――自分の名前がわ
からないってどうなの? 仮にも英雄ですよ?
 おまけに彼が名前を答えたとき、僅かに困ったような表情をしたのだ。
 その時――失礼ながらもこう思ってしまった。
 可愛い、と。
 だが実際彼は、ちっとも可愛くなどなかった。
 私の言うことなんて全然聞いてくれないし。
 「それが仕事だろう!」と彼を何度叱りつけても聞く耳なし。
 これは人選ミスかもしれないと何度も後悔したものだ。
 本来、今だって彼が眠っているのはただの惰眠と言えた。彼らに睡眠など必要ないんだから。
 主人である私としては叩き起こす権利、否――怠慢な従者を起こす義務があるとさえ思える。
 だが眠っているといっても彼は仮にも狂戦士。
 怒って飛び掛ってこられたら私など一溜まりもないだろう。
 だから額に“肉”程度で勘弁してやろう。
 ここは人間の出来てる私だから許してあげてるわけであって!
 感謝しなさいよ! べ、別に貴方が恐いわけじゃないんだからねっ!
 そう思うことにした。思うことにしなければやってられない。
 おっかなびっくり――じゃなくて、優雅な足取りで水性ペンを棚から取り出してきて。
 きゅぽん、とまぬけな音をさせて水性ペンのフタを取る。
 水性ってところがまた、自分の小ささを表していて嫌になるな・・・・・・。
 彼が目を覚まさないか、ヒヤヒヤしつつ。
 ゆっくりとペンを片手に彼の額に伸ばす。
 彼は、例えるなら野獣。狼だ。だとしたら私は赤頭巾ちゃん?
 自分で思って、またそれが可笑しくなってニヤニヤ笑ってしまった。

「ああ、バカみたいだ・・・・・・私」

 結局――彼の額に“肉”と書く作戦は失敗に終わった。
 彼が途中で目を覚ましたわけじゃない。
 彼は眠る獣。
 だから――見ていて、とても、愛おしくなってしまった。
 眠る彼の表情はとても穏やかだった。
 すぅすぅと寝息を立てる彼は紛れもなくどうしようもなく、いつもの恐い彼が醸し出す
雰囲気など皆無で無防備だった。

「英雄はどんな夢を見るのかしら、ね」

 彼のいつも外さない眼鏡をこっそり手に取って、掛けてみたりする。
 予想では物凄い度が入っているのかと思ってたのに、伊達だった。新たな発見だ。
 だったら、どうして邪魔な眼鏡など掛けているのだろう?

「何をしているんだ、マスター」

「みぎゃぁぁ!」

 突然起きた彼にびっくりして、思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
 なんて失態・・・・・・。
 コイツの眼の前ではいつも落ち着いて優雅に振舞おうって決めていたのに。
 っていうか何、何でコイツ突然目を覚ましてるの!

「起きるときくらい起きるって言ってから起きなさいよ!」

 うあん――支離滅裂だ泥沼だぁ。

「フム――難しい課題だなそれはまた。とりあえず、起きたぞマスター」

 珍しく彼にしては殊勝な返事だった。

「なんだマスター。目まで、悪くなってきたのか」

「そ、そうよ! だったら貴方の眼鏡ちっとも度が入ってないじゃない!」

 たとえ目が悪かろうが、私の場合魔力で視力を補強すれば良いだけの話であって。
 彼もそう気付いただろう。
 私は悔しさと恥ずかしさでいっぱいになり、掛けている眼鏡を外して力いっぱい握りしめる。
 彼は何も言わなかった。
 ただ私が今にも握りつぶしてしまいそうな眼鏡を、物憂げに見つめていた。
 まるで何か大切なモノを見ているように。

「っ〜〜〜! 何よ、何か言いなさいよ!」

「何でもない――私はもう一度寝るぞ、マスター」

「あ、待てこのヤロウ!」

 私の制止を押しきり、彼はまた目を瞑った。
 もう、寝てるし!
 どこでも眠れる、すぐ眠れるというのは才能だ。私なんてなかなか寝付けやしないし、
ときどき夢にうなされてすぐに目が覚めてしまうのに。
 全く、この男はワケがわからない。理解できない。
 英雄を理解するなんて、凡人の私には無理なのだろう。

「えい」

 私はどっかりと、彼の横に腰を下ろした。
 もう良いや、今日は。寝よう。
 彼の白衣、その胸ポケットに眼鏡を返してやる。

「きっと、私には言えないような大切な物なんでしょうね」

 肩越しに感じられる彼の体温は温かかった。さすがケダモノだ。
 冷え切った氷のような私でさえ、溶けてしまうんじゃないかとさえ思えた。
 私の心の中にある氷山が、溶けてしまうんじゃないか。

「――どこか、壊れちゃったのかなぁ」

 彼に出会って、私は私のことまで理解できなくなった。
 誰にも触れることなく生きてきた私は、私のことだけは理解していると思っていたのに。
 今の私は、まるで恋する乙女のようだ――。
 そんなバカな思いを廻らせながら。
 私は深いまどろみの中に落ちていく。



*************************************************************************
 本邦初公開の小説版、サティ譲の素顔。あとギアの寝顔。
 前髪が揃った大人びた少女でも彼の前では素直になれないの! って・・・。
 あの彼女っぽいですね・・・(汗。
 でもこんな性格だったかなぁサティ。
 こうかいてると・・・続きとかアフターとかif祭とか・・・かきたくなってくる・・・。
 時間が欲しいとです。
| 書き物 | 21:52 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
-no title-
 幼き勇者よ――この脆弱なる魔王を許せ。
 貴様はよう戦った。安寧に身を委ね。
 我が傍らで眠れ。貴様はもう、戦わなくて良い。

           ◇   ◇   ◇

 仰いだ天空はどこまでも高く、深い闇に包まれていた。
 そこに浮かぶ下弦の月が、下界の民を嘲笑う。
 人が倒れ伏している。
 勇者は魔王に敗北した。己の信念の具現であった剣は砕け――己の
存在すら奪われた。
 人々に害なすモノと戦った。それだけだ。それが自分の運命だった。
 しかしそれでも周りから勇者と崇められ、それが虚にならないようにと勇者は
走り続けた。助けたモノにすら畏怖の眼差しという刃を突きつけられた事もあった。
倒すべき敵ですら、己の事を死神と化け物と罵った。
 そんな自分の何が勇者か。
 だが、それでも守り通す事はできた。良かったと思う。
 しかしその場に勇者の死を悲しむモノは居ない。皆、遠の昔に死んだ。
優しいモノから消えて行った。
 だがこれで、私も逝ける。
 その時、雫が勇者の頬を濡らした。雨だ――そう思った。誰も泣いてくれ
ない悲しい勇者のために空が代わりに泣いてくれているのだろうと。
だが月は相変わらず笑っていた。
 勇者を胸に抱え、涙を流すのは名も知らぬ一人の少女だった。
 まだ私の死を悲しんでくれるモノがいたのか。
 勇者は己の不甲斐無さに、笑った。また誰かを泣かしてしまった。
 情けなく、だらしなくも。
 勇者は願ってしまった。
 最後に見たこの少女の涙を、止めてあげたいと。

           ◇   ◇   ◇

 築云十年の人が歩けばそれだけで倒壊しそうな2階建てのぼろアパート。
 天井は染みだらけでそれが人の顔にも世界地図にも見える小さく小汚い
部屋で、少女は眠っていた。布団に埋もれていた。
 少女は頬を赤く染め、息苦しそうな表情に顔を歪めている。

「――うなぁ」

 このまま後少しでも遅ければ目を覚ますタイミングを一生失っていただ
ろうと思われるそのぎりぎりで、頭まで被っていた布団をがばっとはねの
けた少女が、呻き声をあげた。

「けほ、けほ」

 今のは、危なかった。布団の中で溺れるかと思った。呼吸をひっひっ
ふーとリズム良く整え途中から、あれ? これはもしや習得困難なマリア
の呼吸法ではないかやれこれは将来使えると思った時に、やっと脳が活動
し平静を取り戻して悲しくなった。
 相手いないし。
 自分は朝から、何やってるんだろうか。
 少女は夢を見た。
 見たと思う。だけどそれが、どんな夢だったのか思い出せない。とても
心地よい夢だったようにも、最悪と呼べるような夢だったようにも思える。
まぁ思い出せない夢など大した事ないだろう。
 少女はそう開き直り枕もとの目覚まし時計を見た。

「なーーーーーー!」

 そこで少女は絶叫する。大人しくしていればそれなりに可愛く見える容
姿を崩し、急いで立ち上がり部屋の隅に掛けてあった制服に手を伸ばす。
 やばい、これはやばい。

「ち、ち、遅刻だー!」

 昨日なかなか寝付けなくて、やっと眠りについたと思ったら目覚ましが
鳴り響いたのだ。そうか、それで布団に潜って二度寝してしまったのか。

「遅刻遅刻遅刻!」

 急いで制服に着替え、部屋を後にする。部屋に残されたモノは布団以外
ほとんど何も見当たらない。それは年頃の女の子にしてみれば異様とも呼
べる。部屋の外には表札が貼られそこには<<夜戯>>と記されていた。
 少女の名前は夜戯ルミナ。黝い髪に黝い瞳、焦げ茶色の制服を着たやや
地味な印象を受ける。そのルミナはだだだと廊下を駆け階段を下り、管理
人室と表札が貼られている部屋のドアを開け放った。

「お、お早うございますー!」

 自室と同じ間取りの短い廊下を歩き、そこに居た二人に挨拶をする。

「お早うございます、ルミナさん。今日はごゆっくりですね」

 一人はネコ耳――獣耳? の付いたカチューシャを頭に付けたメイド姿
の女性。薄茶色の髪をした和やかな表情を浮かべたこの女性の名前は夜戯
絆。

「お早う、ルミナ。
 急いでるのは分かるんじゃが、少し落ち着け。
 このアパートを倒壊させる気か?」

 そしてもう一人は、白髪で体中に深い皺が目立つ老人の男。しかしその
声はしわがれる事なく、その深く紅い双眸は老いを感じさせない。この老
人こそルミナの住むアパートの管理人であり保護者である夜戯冥作。
 勿論ルミナにはアパートを壊そうとかそういうつもりはないのだが、今
は状況が状況だ。

「ご、ごめんなさい、寝坊しちゃいました!
 昨日なかなか寝付けなくて、おまけに変な夢見ちゃって」

「ふむ、そうじゃったのか。相変わらず朝が弱いのぅ。
 明日からわしが毎朝起こしに行ってやろうか」

「嫌ですよ! この間そう言って、
 どっかの怪盗3世宜しくダイブしてきたのは誰ですか!」

 そうなのだ、この老人こう見えて結構変態なのだ。

「あら、冥作さま。それは初耳ですね」

「待て、絆。誤解じゃ! その手に持ったフライパンを下ろせ! ぎゃー!」

 自業自得だが、絆も少しやり過ぎではないだろうか。朝っぱらから素敵な
音がアパートに響いた。近所迷惑だなと思う。だがこのアパートでルミナは
この二人以外、人とすれ違ったことがない。アパートには全部で十数部屋あ
り、どこの部屋にも表札が貼ってあるのだが。時間がが合わないのか不思議
なものだ。

「ルミナさん、朝食は食べていかれますか?」

 冥作を叩いて凹んでしまったフライパンを修復しつつ絆が問いかけてくる。

「いえ・・・・・・挨拶に寄っただけなんで、すぐ行きます」

 いつも絆に作ってもらったご飯を食べて、学校に行くのがルミナの朝の始ま
りなのだが、今日はそうも言っていられない。仕方ないので今日は朝抜きか。

「ルミナ、ほれ」

 冥作がダメージから復帰したのか、ルミナに声を掛けて何か放り投げた。
慌ててそれを受け取る。

「バナナ?」

「うむ、バナナは良い。そして・・・・・・それを頬張る女の子もまた――」

 がつん、と全てを言い終わる前に絆が冥作を手にしていたフライパンでぶん
殴った。やはり彼は変態だ。

「・・・・・・痛い」

「変態は放っておいて、行ってらっしゃいませルミナさん」

 道中お気をつけて、と声を掛けてくる彼女を背にルミナは学校に向かって
走り出した。部屋に残された二人はそれを見つめる。

「冥作さまが、まさかロリコンだとは絆思ってもおりませんでした」

「――戯け」

*******************************************
 夜戯ルミナ。ヤギ、ルミナ。たぶん、あのルミナと同じモノ。
 具体的な目的もなく・・・2時間くらいで書きました。
 文章って書かないとどんどん下手になってしまいますからね・・・。
 現に小説書いたの久しぶり。
 しかしいいのかこんなもの載せて! 続くのかこれ!
 こうここに載せてちゃんと続いたモノってないですからね・・・。
| 書き物 | 23:17 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
『涙を流し尽くしたアタシのために、彼は、泣いた。』
 ――アタシの生きる理由。
 それはいつもアタシを見て笑っているアンタを、一度でも泣かす事。

 今も何処かで、誰かが産声を上げている。
 それは、生まれてきた事に歓喜して? それとも、生まれてきた事に絶望して?
 この世界に生まれてくる事に理由はない。
 でも、生きていくのに理由は必要。それはアタシにも、例外なかった様で。
 あの頃のアタシは理由もなく、ただ死んだ様に生を繰り返していた。

 真っ暗な世界に生み落とされた時、アタシは特に何も感じなかったと思う。ただ少し、
寒いなと思った様な気がする。それからすぐに、両親に捨てられた。
 それからしばらくして、アタシは温かい家族に迎え入れられた。
 その時に意味もなく期待する事を覚えちゃったもんだから、また独りに戻った時、辛
いんだろうなぁ――とか思った。
 “その時”はすぐに、訪れたんだけれど。
 あの時、アタシは生まれてから初めて泣いたんだ。生まれてきた事へ、生きていく事
への、絶望で。

 帰る場所なんてなかった。
 アタシはまた、雨ざらしの公園のベンチで独りぼっち。
 傘を差し急ぎ早に遠ざかっていく人の群は、誰一人私に声を掛ける事もなく。
 世界に独り、取り残された様な感覚に襲われた。誰も迎えには来てくれない。
 もう、良いかな? と、顔も名前も知らない父と母に、柄にもなく問いかける。
 もちろん、答えは返ってくるはずもなくて。
 もう、良いや。そう思って、小さな舌を噛み切ろうと思ったその時。私には、既に口
を開く気力すら残ってない事に気がついた。
 
 だっさいな、アタシ・・・・・・。
 
 ざぁざぁと、もう涙すら流せなくなったアタシの変わりに、空が泣いてくれている。
だとしたら、この雨はずっと止む事はないだろう。

 でも――雨上がりの空は、訪れた。
 眼の前に現れた彼が、真っ黒な傘を差し出してくれた時。彼がアタシから涙を拭い去
ってくれた。泣き明かし、もう目はほとんど見えなくなっていたけれど。アタシはその
時、アンタに拾われたんだっけ。

 アンタの部屋は、アタシから見ても小さいし散らかっていた。差し出されたホットミ
ルクは、賞味期限ぎりぎりだとアンタは笑った。アタシは猫舌だったから、ちろちろと
ミルクを飲んだ。
 舌噛み切らなくて良かったなぁ。最後に、こんな美味しいものを頂けたんだから。
 見上げると、アンタの顔が近かった。覗き込むように向けられる笑顔が、眩しい。
 あー、馬鹿なアタシはアンタに期待する。
 
 ――アタシを独りにしないで、って。

 情けないな、これで最後。大きく、口を開けて――。

 ――でも、最後は永遠に訪れなかった。
 今も情けなく、アタシは生きている。
 
 慣れてはきたけれど、絵の具のにおいは嫌い。アンタを感じられなくなるから。
 私は寝転びながら、碧い空を眺めている。気が付くとアンタは、真っ白なキャンバス
にアタシを描いていた。
 どんな絵を描いているのか、気になって仕方ない。うずうずする。
 首を伸ばしたりして覗き見ようとするアタシを、なだめるアンタはいつも楽しそうで。
 アンタの絵は、相変わらずヘタクソだった。
 アタシはそんなに、可愛くないって。
 
 あの日から数ヶ月。もうほとんど、この瞳は何も映さなくなっていた。
 それでも、良いと思ったんだ。
 考えてみるとあの時。公園のベンチで産声を上げて、アタシは、生まれたのかもしれ
ない。
 
 アタシが生きている理由。
 それはいつもアタシを見て微笑んでるアンタを、一回くらい泣かせてやる事。
 たぶん、それはそう遠くない。
 
 ・・・・・・うそつきだね、アタシも。
 
 ゴメンね? じゃなきゃ、笑っていけないんだ。
 鼻をつんざく画材のにおいが、アタシからアンタを遠ざける。
 いう事なんて、聞いてやらない。
 アタシは彼に、有無をいわさず飛び込んだ。
 日向のにおいのする、彼。アタシの太陽になってくれた人。
 アタシはもう、あの時に涙を流し尽くしていたから。
 うれしくて泣きそうだったのに、涙はやっぱり流れなかった。

 本当は――アタシは、明日を、アンタと生きる。
 それだけで、良かった。そのためだけに、生きていたかったんだけれど。
 彼の、温かい胸の中。でも、あの時みたいに寒くはない。瞳に映るものは真っ暗な闇。
だけれど、確かに目の前には光があった。
 その時、ぽつり――と。アタシの上に、二度と降る事がないと思っていた大粒の雨が
落ちてきた。今度はしばらく、止みそうにないかもしれない。

 温かい雨は、私の頭上でいつまでも降り続ける・・・・・・。
 願わくばいつの日か――また太陽が昇る事を夢見て。
 彼の胸の中で、アタシは静かに眠りにつく。

『涙を流し尽くしたアタシのために、彼は、泣いた。』

*********************************

 1年前にここで公開したものの、加筆修正版でした。
 加筆したら、何かテンポの途切れ途切れが目立つ様になった感があります(汗)。
 こんな事してる暇あるなら、しっかり寝ろ! という話ですね。。
 寝ます寝ます寝ます(汗)。
| 書き物 | 23:11 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
多分駄文
 ――――大人になって、ボクは夢を見なくなった。

 時折、疲れて眠っているボクの頭の中で広がる現実。

 それは例えば、苦手な上司に怒られているシーンとか。

 失敗したボクが、顧客に頭を下げているシーンだとか。

 それを夢だと言うのなら、
 ボクはなんて夢のない奴になってしまったんだろう。

 夢は、現実に起こらないから夢なんだ。
 今になって、思う。

 子供の頃に夢中で見た夢の数。

 大リーグで活躍しているボク。

 飛行機のパイロットになって空を駆け巡るボク。

 ...etc。

 伸びた背丈の分と、愛想笑いの数だけ――――。
 
 今こうやって、生きているボクは夢の中ですか?

 ――――ボクは夢を落っことしてきたのかもしれない。

 大人になって、夢を見なくなったボク。
 夢を見続ける子供たち。

 ある朝ボクは、ふっと気付いた。
 大人になったら、夢は見るもんじゃない。
 ボクたちが子供に、夢を見せるんだと。

 大人になって落とした数多の夢。

 掴んだ理想―――そして葛藤の狭間に生み出された現実。

 子供たちはそれを拾って夢を見る。

 こんな大人になったボクだからこそ、
 今の子供たちには夢を持ち続けてほしい。
 そう願う。
 そしていつか、いつになっても良い。
 夢を現実にして見て欲しい。
 
『――――最後に見た夢の続きを、
          いつかボクに聞かせておくれ。』



*********************************

 男の子が将来就きたい職業はスポーツ選手とか、パイロットだそうで。
 女の子が将来就きたい職業は看護士さんやケーキ屋さんだそうで。
 そんな子供たちの親が、子供たちに就いて欲しい職業は公務員だったっけ?
 夢って、何だ。
 5月は、なんか、自分にとって苦手。
 変な事ばっかり考えたり、ちょっとしたことで苛々したりする時期。
 頑張ろう。
| 書き物 | 19:45 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP